グラン・トリノ(Gran Torino)の映画情報・あらすじ・ネタバレ
- 2018.07.31
- 映画

シェアハウスに映画グラン・トリノのDVDがあったので観てみました。
インターネット上でも評価が高いあるだけあって素晴らしい作品。
違う部分やキャラクターにももっと注目しながら何度も繰り返し観たいと思える映画でした。
グラン・トリノの基本情報
邦題:グラン・トリノ
原題:Gran Torino
公開:2008年
監督:クリント・イーストウッド
主演:クリント・イーストウッド
ネットフリックスでの視聴:不可(2018年7月30日現在)
グラン・トリノのあらすじ
偏屈な年老いた白人であるウォルト。その気難しさから、実の子供や孫にも遠巻きにされ、最愛の妻亡きあと一人で暮らしています。
人種差別を隠そうとしない彼は、アジア系の移民が増えていくことを快くは思っておらず、隣に住むモン族のロー一家のことも良くは思っていませんでした。
ロー家の息子であるタオは、ギャングである従兄のスパイダーに強いられて、ウォルトの車グラン・トリノを盗もうとしますがウォルトに見つかってしまいます。
しかし、ある日ギャングに連れていかれそうになったタオを助けるような形になったり、別のギャングに絡まれているスーをつい助けたことで、スーはウォルトに対して興味や好意を持っていくように。そこから明るい性格のスーは相変わらず偏屈な態度のウォルトに対しても積極的に声をかけるようになります。
スーをきっかけにロー家とそしてタオと深く関わっていくようになるウォルト。
偏屈な老人の考え方が、タオやスーとの関係でどう変化していくのか…。
グラン・トリノの見どころ
クリント・イーストウッド最後の俳優作品である本作。彼の俳優としての演技にも注目ですが、何と言っても監督としての力量も抜群に発揮されている作品です。
テーマや物語の軸になっている部分は比較的シリアスで、深い問題であると言えますが、主に前半のロー家との関わりの部分については意外なほどコミカルに描かれていて、思わずクスッと笑えてしまうシーンもあります。
ウォルトの心境の変化も巧みに表現されていて、彼が最後にどういった行動を取るのかは必見です。
グラン・トリノの感想(ネタバレあり)
ストーリーとしては大体の流れが読めてしまうほどシンプルかつ王道。明るい性格のスーがウォルトに話しかけているシーンですぐに、これはこの子のおかげで心が開いていくっていうパターンの映画なんだな、とすぐに見えてしまいました。
しかし、そこを分かっていてもさすがクリント・イーストウッド、見せ方がうまいです。ウォルトがロー家に好意を持っていきながらも、ぶっきらぼうな性格はなかなか変えられないところなど、人間らしさがとてもリアル。このウォルトとスー、タオの関係性は分かりやすくありながらとても魅力的です。
最後にはタオとスーのためにギャングたちを始末するわけですが、このシーンはこの映画唯一と言って良いほど驚きの展開。てっきりギャングたちと戦う展開かと思いきや、ウォルトが考え出した作戦は何と丸腰で彼らにやられるというもの。銃を出すふり(実際には持参していない)をしたウォルトをギャングたちが一斉に銃で撃ち彼は亡くなってしまいます。銃すら持っていない人を一方的に撃ったギャングたちの罪は大変重くなる、というもの。彼が考えたこの作戦は、自分を犠牲にし、タオには手を怪我させずに、そして相手を攻撃することもなくタオとスーを守れるものでした。
決して完全なハッピーエンドとは言えないまでも、自分の人生を悔いていたウォルトが見つけた誇れる人生の終わり方はとても美しいものです。
年齢と人種を超えた友情と、それによるウォルトの心境の変化がとても見ごたえのある素晴らしい作品でした。